健康志向が高まる今、ご家庭で豆苗を育てているという方も多いのではないでしょうか。
栄養豊富でさまざまな効果効能が期待できる上、栽培方法も比較的簡単な豆苗。積極的に使いたいと思っている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
栄養価が高い豆苗ですので、生食のままの方がいいのか、それとも加熱調理をしたほうがいいのか、また、加熱調理によって損なわれてしまう栄養素はあるのかなど、効果的な食べ方も詳しく知りたいですよね。
食べ過ぎによる副作用があるのかについてもしっかりと理解して、毎日の食卓に手軽に栄養素をプラスしていきましょう。
そこで今回は、『豆苗の栄養と効能効果』、『加熱調理による影響や生食などの効果的な食べ方』や『食べ過ぎによる副作用の有無』について解説します。
最後に豆苗の再生栽培のコツも紹介していますので、是非参考にして見てください!
豆苗とは?
豆苗とは、エンドウ豆の若菜のことをいいます。エンドウ豆の種から発芽させた新芽で、スプラウトとも言われています。
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ブロッコリースプラウトとは?栄養と効果効能!量や効果的な食べ方は?
エンドウ豆は南西アジアで紀元前7000年頃から栽培され、豆苗としてエンドウ豆の若葉を食べるようになったのは中国が始まりです。
古くから中国では食材として収穫されていましたが、収穫される時期も量も限られていたため、特別な行事でしか口にできない稀少な野菜でした。
日本に伝来したのは、1970年代で、しばらくは中華料理でよく登場する高級食材だったのですが、現在では植物工場やビニールハウスで水耕栽培され、天候に左右されず、安定的に栽培できるようになったため、安価になりました。
リーズナブルでサラダで食べたり、味噌汁に入れたりと色々なレシピに利用できる使い勝手の良さやその栄養価の高さから手軽で人気の食材となっています。
家庭でも栽培できることから、再収穫の楽しさなども注目されています。
豆苗の栄養と効能効果!
豆苗のカロリーは1袋で約20kcal程度とかなり低カロリーです。シャキシャキとした歯ごたえで食べ応えがある上、低カロリーで栄養豊富であるため、積極的に活用していきたい食材です。
豆苗に含まれている主な栄養素は次の通りです。
- βカロテン
- 食物繊維
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- 葉酸
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- 生活習慣病予防
- ダイエット効果・デトックス効果
- アンチエイジング効果・美肌効果
- 貧血予防・妊産婦と胎児の健康を保つ効果
- 骨粗鬆症予防
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【生活習慣病予防・がん予防】
豆苗にはβカロテンが豊富に含まれています。
高い抗酸化作用を持つことで知られ、活性酸素を除去する働きがあります。
体の中で活性酸素が増えると、さまざまな疾患を引き起こす原因となります。また、血管の細胞が酸化すると、硬くなって血流を妨げることで、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こすリスクが上がります。
また、活性酸素を除去することでがん予防に効果があることも知られています。
【ダイエット効果・デトックス効果】
豆苗には食物繊維が豊富に含まれています。豆苗の食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維で、腸や胃で水分を吸収し大きく膨らみます。
便のかさが増えることにより、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動が活発になるので、便秘解消効果が期待できます。
また、体の中に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、外へ排出するデトックス効果も期待できます。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなるため、腸内の環境を整えてくれる効果もあります。
不溶性食物繊維は粘性があり、胃の中をゆっくりと動く性質があるため、食べ過ぎを防ぐことができ、ダイエットの効果も期待できます。
【アンチエイジング効果・美肌効果】
βカロテンの抗酸化作用は、活性酸素によって細胞が酸化して老化するのを防ぎます。
また、βカロテンが変換するビタミンAには、代謝を促進する作用があり、ターンオーバーを正常化させて肌や髪を健康に保つ効果があります。
食物繊維によって腸内環境が整うことで、老廃物から出る毒素の影響で肌荒れやニキビができるのを防ぐ効果も期待できます。
豆苗にはビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、肌のハリやツヤを保ちます。
また、ビタミンCは、メラニン色素の生成を抑えることで、しみやそばかすを防ぐ効果が期待できます。
さらに、豆苗にはビタミンEも含まれており、抗酸化作用の他に、末梢血管を拡張させて、血行を良くする作用があります。
冷えの悩みを解消し、顔色を明るくする効果も期待できます。
【貧血予防・妊産婦と胎児の健康を保つ効果】
豆苗には葉酸が含まれています。
葉酸は酸素を体全体に運ぶ赤血球を作る働きをしており「造血ビタミン」とも言われて、
貧血予防や健康維持に重要な働きをします。
また、DNAの合成にも影響を与え、細胞の生成に必要な成分で、胎児の発育にも欠かすことができない栄養素です。そのため、妊娠中の方やこれから妊娠を望む妊活中の方は特に積極的に摂りたい栄養素です。
【骨粗鬆症予防】
ビタミンKは丈夫な骨づくりに欠かせない栄養素です。カルシムの骨への沈着を助ける働きがあり、骨粗鬆症の予防に効果が期待できます。
加熱?生食?豆苗の効果的な食べ方!
基本的に市販されている豆苗はビニールハウスの中で水耕栽培されています。天候にも左右されることなく、手頃な上に安定した価格で購入できるので、毎日の献立に役立つ食材ですね。
レシピの種類も豊富で生のまま食べれるツナサラダや、卵スープに野菜炒め、豚肉巻きなど食卓には欠かすことのできない緑黄色野菜です。
ただし、豆苗に含まれるビタミンCやビタミンB類は熱に弱い性質を持っているため、ビタミンを摂りたい方への効果的な食べ方としては、加熱調理はせず、生のまま食べていただくのがおすすめです。
また、これらのビタミン類は水溶性のビタミンのため、栄養素が水に溶け出してしまいます。加熱調理する場合は、水に溶け出した栄養素もいただけるスープなどに使うとよいでしょう。
βカロテンやビタミンEは油との相性が良い脂溶性ビタミンのため、効果的に摂取したい場合は油を使いましょう。
炒め物にしてももちろんいいですが、サラダにしてオリーブオイルなどをかけて食べるのがベストです。
豆苗を食べ過ぎると副作用はある?
栄養豊富な緑黄色野菜の豆苗に食べ過ぎてはいけない量は特に指定されていません。副作用の心配もありませんので、安心して毎日のレシピに摂り入れることができます。
貧血が気になる女性や成長期のお子さんにと、ご家族みなさんでお召し上がりになって頂きたいお野菜です。
ところで、豆苗の豆は食べられるのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
豆まで食べた方が栄養もより効果的に摂れる気がしますよね。確かに栄養面では若干優れていると言えますが、衛生的にはあまりおすすめできません。
害はありませんが、特に美味しく食べられるわけでもありませんので、再生栽培をしていただくことをおすすめします。
豆苗の栽培方法
再生栽培は、慣れると非常に簡単なのですが、挑戦したけど失敗してしまって、使う度に買いなおしている方もいるかもしれません。
実は、再生栽培にはちょっとしたコツがあるのです。最後に栽培方法のコツをご紹介します。
購入した豆苗を調理バサミや包丁で切るときには、根元からバッサリ切るのではなく、根元の上にある小さな2つの脇芽(直物が新たに芽を伸ばしていく部分です)を残してカットします。こうすることでグッと再生栽培が成功しやすくなります。
容器はご自宅にある清潔なプラスチック容器や、お皿など豆苗が入ればなんでもかまいません。
お水の量は根がひたる程度で、やわらかい日光の当たる場所に置きます。キッチンの窓際やカウンターキッチンに並べるのもいいでしょう。
豆から栄養が吸えるので肥料の必要がなく、水だけで成長していきます。水は最低1日1回、できれば2回交換すればOKです。
食べ頃は何日くらいかと言うと、大体10日くらいで食卓に並べることができるようになるでしょう。
豆苗の再生栽培は何回もできるわけではなく、2回程度が目安です。衛生面を考えると1回再生するごとに処分するのがいいでしょう。
豆苗の再生栽培は、土もいらないので、手軽に始められるのが嬉しいですね。
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