今、お蕎麦ではなく、そば粉になる前の「蕎麦の実」が注目されていることをご存知でしょうか?
蕎麦の実が食べれるということを知らなかったという方もいらっしゃるかと思いますが、実は、欧米ではスーパーモデルやアスリートの間では、栄養が豊富でさまざまな美容や健康への効果効能が期待できるスーパーフードとして注目が集まっている食材なのです。
栄養や効果効能だけでなく、馴染みがないだけに、「食べ方や茹で方、保存方法なんかわからない・・・」という方のために、簡単な食べ方や茹で方、保存方法もお伝えさせていただきます。
豆類のように茹で方は、手間が掛かって、難しそうなイメージもありますが、とても簡単に茹でて使用することができます。
また、蕎麦の実の食べ方もどんな食べ方があるのか、イメージし辛いかもしれませんが、様々な料理に活用できます。ダイエットにも効果的なので、ダイエット中の方や美容、健康を意識されている方は、蕎麦の実を常備していると心強い味方になると思います。
そこで今回は、ダイエット中の方にもおすすめな『蕎麦の実の栄養と効能効果』と『簡単な食べ方や茹で方、保存方法』をご紹介します。
蕎麦の実とは
蕎麦の実とは、その名の通り蕎麦の種子です。この蕎麦の種子を脱穀して表面の皮を取ったものを石うすなどで粉にしたものがそば粉です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパでは、蕎麦の実の状態で調理して食べるのが一般的です。蕎麦の実の生産量世界一のロシアでは、そば粥「カーシャ」が有名です。
日本でも徳島県の郷土料理で「そば米雑炊」がありますが、そば粉にしないで蕎麦の実のまま食べるのは、やはり日本全国でも珍しいです。
日本では実のまま食べる習慣がほとんどありませんが、実は、この蕎麦の実が健康志向の人々にスーパーフードとして注目されるほど美容や健康に大切な栄養が豊富であることが分かってきました。
それに加えて糖質が低いことも知られてダイエット食品としても人気があるのです。
ダイエット効果の大きい理由の根拠であるレジスタントプロテインが豊富に含まれていることも有名で、多くの著名人が蕎麦の実を使ったダイエットで効果を上げています。
蕎麦の実は収穫期間が早いことも特徴ですが、蕎麦の実は三画形の特徴ある形をしているために、中の実が割れないようにするのが難しく、量産は多くありません。
そのために、蕎麦の実は人気ですが、普通のスーパーなどではなかなか販売しているのを見かけません。ネット販売で探す方が早く簡単に手に入れられると思いますので、一度見てみてはいかがでしょうか。
蕎麦の実(抜き実と玄そば)
蕎麦の実には、殻を取った「抜き実(丸抜き)」と黒い殻が付いたままの「玄そば」があります。
殻が付いたままの蕎麦の実の方が、栄養価がより高く、殻ごと蕎麦の実を食べた方が美容、健康への効能効果は高くなりますが、そのまま食べたり、料理に使う時は注意が必要です。殻が固いので、給水させた後で茹でたとしても中の実は柔らかくなりますが、殻は固いままです。
殻ごとでも蕎麦の実を食べることはできますが、殻に角があるので、喉を通る時にいがらっぽく感じたり、舌に残る感じもありますので、料理に使う際は、殻を取り除いた「抜き実(丸抜き)」を使うようにしましょう。
蕎麦の実の状態ではありませんが、殻つきの蕎麦の実を丸ごと製粉した全粒粉もあります。栄養素がすべて粉になっており、小麦粉の代用として日常のお料理にも使用できるようです。
蕎麦の実の栄養と効果効能
蕎麦の実100gあたりのカロリーは364kcal、糖質は43gです。
100gあたりのカロリーは白米などと比べると高いのですが、糖質が低いことが特徴です。糖質制限ダイエットを実行している方や、糖尿病による食事制限をしている方には、GI値が低いために人気の食材となっています。
蕎麦の実に含まれている主な栄養素は次の通りです。
- レジスタントプロテイン
- ルチン
- 食物繊維
- ビタミンB1、ビタミンB2
- 鉄分
- カリウム
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- アンチエイジング効果
- ダイエット効果
- コレステロール値を下げる効果
- 血糖値の上昇を抑える効果
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【アンチエイジング効果】
蕎麦の実に含まれるタンパク質のルチンは、抗酸化作用が認められています。
毛細血管を丈夫にし、血流が良くなることで、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病の予防に効果を発揮します。またルチンの抗酸化作用は、老化防止、アンチエイジングに効果的です。
本来、紫外線や精神的なストレスなどのダメージから身を守るため発生する活性酸素ですが、体の中で増えすぎると細胞を酸化させてしまします。鉄が錆びるのと同じように、細胞も錆びてしまうのです。
細胞の酸化は、さまざまな病気の原因や老化の原因とも言われています。抗酸化作用の高いルチンを摂取することで、細胞が錆びるのを防ぎ、アンチエイジングに効果があると言われています。
【ダイエット効果】
蕎麦の実には、ビタミンB1、B2が含まれています。これらは、糖質の代謝に深く関わります。糖質をエネルギーとして使うために欠かせないビタミンなのです。
糖質をエネルギーに変換することで、どんどんとエネルギーとして消費します。余分な糖質を脂肪に変換しにくくさせることで、ダイエット効果が期待出来るのです。
また、蕎麦の実に含まれる希少なタンパク質、レジスタントプロテインが、あまり消化されずに、腸まで届いて脂肪の吸収を抑えてくれるのも理由です。
【コレステロール値を下げる効果】
蕎麦の実に含まれるレジスタントプロテインは、コレステロール値を下げるのにも大きな役割を果たします。
消化されにくいという特徴から、そのまま腸まで届いて余分な脂質を排出し、コレステロール値を下げる手伝いをしてくれるのです。
また、豊富な食物繊維もコレステロール値を下げる効果が期待できます。
【血糖値の上昇を抑える効果】
蕎麦の実には食物繊維が豊富に含まれています。蕎麦の実の食物繊維は100gあたり4.3gあり、白米の8倍以上もあります。
蕎麦の実に含まれる食物繊維は腸の中で余分な糖の吸収を抑えてくれるので、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
また、レジスタントプロテインも食事中の糖の吸収を穏やかにしてくれるので、血糖値の急上昇を抑制してくれます。
ダイエット中の方にもおすすめ!蕎麦の実の簡単な食べ方、茹で方、保存方法
蕎麦の実は、そのままでは固くて食べることができませんので、茹でる必要があります。
【蕎麦の実の茹で方】
- 蕎麦の実100gを1時間水に浸ける
- 水300mlを入れた鍋で、蕎麦の実を15分茹でる
- 水で洗って、蕎麦の実のぬめりを取れば、出来上がり
茹でる前に水に浸さなくても大丈夫ですが、ここではおすすめの水に浸す方法で紹介しました。また、蕎麦の実の固さも茹でる時間を変えることで調整できますので、お好みで調整してみてください。
【蕎麦の実の食べ方】
蕎麦の実には水溶性ビタミンが含まれています。スープに入れることで蕎麦の実からスープに流出した栄養分も摂取することができるので、おすすめです。
また、前もって蕎麦の実を茹でておけばサラダなどのトッピングとして利用することができます。
他のレシピとして蕎麦の実ご飯も簡単でおすすめです。
炊き方は、お米2合に蕎麦の実を大さじ3ぐらいが目安で、炊飯器でお米を炊くのと同じ割合でお水を入れ、酒小さじ1と塩小さじ1/2を入れて炊くだけで、美味しい蕎麦の実ご飯が出来上がります。
蕎麦の実を使ったスムージーも有名です。レシピを紹介しますので、是非試してみてください。
【蕎麦の実スムージーの作り方】
- 蕎麦の実 20g
- アーモンドミルク 200ml
- ハチミツ(お好みで)
- 蕎麦の実を茹でる。沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火にして15分茹でる
- 茹でたらザルに上げて粗熱を取る
- 茹でた蕎麦の実とアーモンドミルクをミキサーにかけて、完成。はちみつはお好みで入れてください。
【蕎麦の実の保存方法】
茹でた蕎麦の実は、冷蔵で2~3日、冷凍では1カ月以内を目安にしましょう。
そのままの蕎麦の実は、香りが強く栄養価が高いので、保存状態が悪いと虫やカビが出る場合あります。
常温保存はできるだけ避け、冷蔵庫(野菜室など)で保管することをおすすめします。また、開封後は香りもだんだんと弱くなっていきますので、なるべくお早めに食べるようにしましょう。
蕎麦の実だけに限りませんが、そればかりを大量に食べ過ぎてはいけません。
ダイエット目的であれば、少量を毎日少しずつ食べることが大切です。食前にスプーン一杯食べるだけで効果はあるようですから、上手に毎日の食卓に取り入れてみてください。
また、蕎麦アレルギーをお持ちの方は、アナフィラキシーショックを起こすと重篤な症状を引き起こします。アレルギーには十分注意してください。
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