前回、前々回と2回に渡ってワインについてご紹介してきましたので、今回はワインを楽しむときに欠かせない食材の一つ、オリーブの実についてご紹介したいと思います。
オリーブの実は塩漬けやオイル漬けにする食べ方の他にも、料理のアクセントとしての使い方もあり、特にイタリアンでは重宝されている食材です。
ただのワインのお供や料理のアクセントとしてだけでなく、オリーブの実の効果効能や栄養、知識を知ることで、日々の食事やお酒の時間がさらに充実します。
オリーブの実と一言で言ってもスーパーに並んでいるものには緑色のものと黒いものがありますよね。実はこの違いは種類の差ではなく、収穫時期に秘密があるのご存知でしたか?
なんと、収穫時期によってカロリーと栄養価にも若干の違いが出てくるのだそうです。
今回は、『オリーブの実の効能効果と栄養』と、『オリーブの実の食べ方や使い方』、『収穫時期やカロリーについて』を徹底解説します!
目次
オリーブの実とは
オリーブは「カンラン」とも呼ばれる地中海沿岸が原産のモクセイ科の植物で、種類は500以上あると言われています。
オリーブは乾燥に強いことから、スペインやイタリアなどで多く栽培されています。日本では小豆島のオリーブが有名ですよね。瀬戸内地方の気候が地中海に似ているため、沿岸ではオリーブ栽培が盛んです。
オリーブの実は、オリーブから収穫される実のことで、イタリアンやスペイン料理などではよく使われている食材です。果実から抽出されるオリーブオイルは食材としても、美容化粧品としても幅広く使われています。
オリーブの種や実から出る油や果汁は保湿性が高く、石鹸などにも加工してよく用いられています。
オリーブの実の効果効能と栄養素
飲んでも肌につけても良いという万能のオリーブオイルの原料であるオリーブの実も、もちろんさまざまな美容、健康効果があり、栄養素が豊富です。オリーブの実の主な栄養素と効果効能は次の通りです。
【アンチエイジング効果】
オリーブの実にはビタミンEが豊富に含まれています。また、完熟したオリーブの実にはポリフェノールも豊富です。
ビタミンEやポリフェノールは抗酸化作用が高いことで知られ、細胞の老化を防いでアンチエイジングの効果が期待できます。
【生活習慣病の予防】
オリーブの実にはオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸は悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。
また、ビタミンEやポリフェノールの抗酸化作用により、がんや白内障などの予防、高血圧から引き起こされる動脈硬化や心筋梗塞など生活習慣病の予防に効果が期待されています。
【便秘解消・予防】
オリーブの実に含まれるオレイン酸には、胃酸の分泌を整え、腸の働きをスムーズにする作用があります。また、食物繊維も豊富に含まれています。
腸内の環境を整えて活性化し、便秘解消や予防に効果が期待されています。
オリーブの食べ方や使い方
オリーブの実は、生のままでは渋みがあり食べることができません。
スーパーなどで購入するときは塩漬けやオイル漬けにされて、缶詰や瓶で売られていることが多いので、生のまま購入する方は少ないかもしれませんが、家庭でオリーブの実を栽培されている方もいらっしゃると思いますので、先にオリーブの実のあく抜きの方法をご紹介します。
あく抜きの方法
【薬品を使う場合】
- プラスチックの容器にオリーブの実と同量の水を入れ、1.8%の苛性ソーダを溶かし、実を入れる
- 実が浮いてこないように落とし蓋をし、容器の蓋をして12~16時間ほど漬けておく
- 褐色になった漬け汁を捨て、綺麗な水に入れ替える
- 水に色がついたら水を替えるようにし、漬け汁が濁らなくなるまで約2日間繰り返せばできあがり
苛性ソーダは劇薬指定されている薬剤なため、薬局で購入する際は住所や氏名、使用目的などを記入する必要があります。
【薬品不使用!重曹であく抜きする方法】
- ガラス瓶に水を入れ、種を抜いたオリーブをガラス瓶に落とす
- 3%の重曹水になるように食用の重曹を加える
- 1日1回重曹水を取り替える
- 好みの渋さになったら1%の塩水に漬ける
- 1日1%ずつ濃度を上げた塩水に取り替える
- 好みの濃度の塩水になったらできあがり
重曹水に漬けるのは、気温やオリーブの熟成度によるそうですが、目安は10日ほどだそうです。
塩分濃度は薄いと痛みが早いので、長期保存したい場合は塩水で漬ける期間を長くしましょう。
できるだけ空気に触れさせないことがコツのようです。重曹水を入れ替える際は、上から真水を加えて溢れさせ、瓶の中が真水になってから重曹を加えるのがポイントです。
シンプルで美味しいオリーブの実の食べ方
あく抜きしたオリーブはそのまま塩漬けにするだけでも美味しく食べられます。塩漬けにしておくと保存も効き、他の料理への使い方も広がるのでおすすめです。
【オリーブの実の塩漬けの作り方】
- プラスチックの容器にあく抜きしたオリーブの実260gを入れ、かぶるくらいの量の4%の塩水を入れて2日間漬ける
- 2日間置いたら軽く水洗いし、新しくかぶるくらいの4%の塩水に漬けておけばできあがり
長い間保存しておきたい場合は、塩水を6~10%ほどの濃度にして漬けておけば、冷蔵庫で6ヶ月程度保存できるそうです。
オリーブの実の使い方
オリーブの実を塩漬けにしていると使い方の幅もぐんと広がります。
ここではオリーブの実を使った人気のレシピをいくつかご紹介します。
【キャベツとツナの簡単パスタ】
- キャベツ1/4個は食べやすい大きさに切っておく。塩漬けしたオリーブの実8個ほどはスライスし、アンチョビ4本は細かく切っておく
- フライパンにオリーブオイルをたっぷりと入れ、アンチョビ、にんにくチューブ2cm程度、キャベツを入れ、しんなりするまで炒める
- キャベツがしんなりしたら、ツナ缶1/2缶とオリーブの実を入れ炒めればパスタソースのできあがり
- あとは茹で上がったパスタをソースに絡めればできあがり
調理法は炒めて絡めるだけの簡単なパスタです。オリーブの実に塩みがあるのでソースの味付けは不要です!
【卵ときゅうりの簡単サラダ】
- 固茹で卵1個の殻をむき、黄身はボウルに移して潰し、白身はみじん切りにしてボウルに加える
- きゅうり1/2本をスライサーで千切りにしてボウルに加える
- 塩漬けにしたオリーブの実5粒程度を細かくカットし、ボウルに加える
- マヨネーズ小さじ1、お好みで塩とブラックペッパーを加えて味付けし、まんべんなく混ぜたらできあがり
そのままでも、サンドイッチなどの具にしても美味しい卵サラダです。
塩加減はオリーブの浸かり具合によって調整してください。
オリーブの実の色の違いは収穫時期の違い!
オリーブの実の収穫時期は品種によって異なりますが、主に9月から11月頃に収穫されます。
この間に綺麗なグリーンからえんじ色になり、日が経つに連れて黒色に近づいていきます。収穫の時期はこのオリーブの実の色で判断されます。
塩漬けにする場合は、オリーブの実にまだグリーンの色味が残っている状態で収穫するのが良いとされます。黒いオリーブでも塩漬けはできますが、収穫後のあく抜きがしやすいのは、緑色の残った若いオリーブの実なのだそうです。
なお、栄養価の違いは、ブラックオリーブに比べてグリーンオリーブの方がポリフェノールの含有量が多いのが特徴です。
オリーブの実のカロリー
グリーンオリーブのカロリーは100gあたり145kcal、ブラックオリーブの場合は100gあたり118kcalと、どちらもそれほど高くはありません。ブラックオリーブの方が低カロリーなのは、グリーンオリーブに比べて脂質が少ないためです。
カロリーと同様に糖質もグリーンオリーブが100gあたり1.2g、ブラックオリーブが0.9gと若干低めとなります。
カロリー、糖質ともに気にするほどではありませんが、脂質は高めであるため、食べ過ぎには注意する必要がありそうです。
とはいえ、塩漬けのものであれば多少気をつけておかなければいけませんが、料理に使ったり、お酒のアテ程度であれば、少し意識していれば食べ過ぎてしまうこともないでしょう。
日々の食事に上手に使って、是非、美と健康の維持に役立ててくださいね!
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