ゼリーなどを手作りする時に使うゼラチン。
ゼラチンをゼリーなどを固めるためのものという印象を持っている方が多いかと思いますが、ゼラチンには女性にうれしい栄養とお肌などへの美容効果や効能が期待できることをご存知でしょうか?
栄養やお肌への効果効能が期待できるとはいっても、普段目にするゼラチンは、透明な板のタイプや粉のタイプかと思いますので、ゼラチンとは一体どのようなもので、原材料は何で、どれくらい摂取量すればよいのかなどわからないことが多いかと思います。
また、摂取することによる副作用やアレルギーがあるのかも気になりますよね。子供のためにゼリーなどのスイーツを作られる方は特に副作用やアレルギーについては気になるところではないでしょうか?
そこで今回は、『ゼラチンとは何か?原料は?』、『ゼラチンの栄養やお肌などへの効果効能』、『ゼラチンの摂取量』と『ゼラチンに副作用やアレルギーはあるのか?』までご紹介したいと思います。
この記事を読んでいただくとゼラチンの印象ががらっと変わり、ゼラチンの魅力にハマってしまうかもしれませんで、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
目次
ゼラチンとは?原料は何?
ゼラチンの原料は、豚や牛などの脊椎動物の皮や骨などに多く含まれるコラーゲンから精製・抽出した無脂肪の動物性タンパク質です。
動物の体を形づくる繊維状のタンパク質であるコラーゲンはそのままでは水に溶けませんが、水で長時間、加熱すると、ある温度で溶けるようになり、これが「ゼラチン」になります。
煮魚やすじ肉の煮込みをつくった時に、煮汁が冷えるとゼリーのように固まる「煮こごり」ができますが、これも魚のコラーゲンが加熱されることでゼラチンになり、煮汁に溶けだして固まったものです。
ちなみに私たちが良くスーパーなどで見かけるゼラチンは、成型、乾燥させたゼラチンで、用途に合わせて板状や粉末状に加工されています。
次に、ゼラチンの歴史もみていきましょう。
ゼラチンのルーツは古く、古代エジプトの動物の皮革から採られた強力な接着剤の「ニカワ」であると言われています。エジプトのピラミッドから出土する棺、調度品にもこの接着剤が使われていたことがわかっています。
驚くべきことに基本的な製法は、すでにこの時代に出来あがったとみられ、6世紀頃の中国で、ほぼ技法が完成されたという記録が残されています。
1700年頃になるとヨーロッパで工業用として生産が開始され、1800年代になると食用(ゼリー)でゼラチンが生産されるようになりました。
また、1800年代後半頃になると写真乳剤として応用されるようになります。その後も、さらに工業用、食用、医薬品用、写真用などと活躍の場を広げ、現代も私たちの生活を豊かにする素材として活躍しています。
コラーゲンとゼラチンの違い
ゼラチンはコラーゲンが原料と説明しましたが、同じものならゼラチンの変わりにコラーゲンを摂取しても一緒なのでは?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、ゼラチンとコラーゲンの違いについて説明します。
コラーゲンの構造を見ると、細長い3本の分子(タンパク質のヒモ)がより合わさり三つ編みのような形になっています。このコラーゲンの分子を熱にかけると、3本の分子がほどかれバラバラの状態になります。これがゼラチンです。
そもそもコラーゲンは消化吸収が良くないので、消化吸収しやすいように、加熱、抽出、精製したものがゼラチンになります。
ゼラチンとコラーゲンは、分子レベルに違いはありますが、食品として食べる分には同じものと考えてかまいません。
ちなみにさらに、ゼラチンを消化吸収しやすいように酵素分解したものがコラーゲンペプチドになります。
食事から取ったゼラチンも、消化の過程でコラーゲンペプチドに変化して体内に吸収されます。
ゼラチンと寒天の違い
ゼリーなどを固めるときに使用する材料で寒天がありますが、ゼラチンとの主な違いは原料にあります。
寒天は、海藻の中でも主に紅藻類のオゴノリやテングサを使って作られています。
また、ゼラチンと比べると凝固力が強いのが特徴で、少しの量で多くの水分を固められます。栄養や効果の面では、寒天は食物繊維を含んでいるので、便意解消やダイエットへの効果があると言われてます。
寒天の栄養や効果効能については、こちらの記事に詳しく書いていますので、是非合わせて見てみてください。
寒天の効果効能!便秘解消、美肌、コレステロールに!ごはんと炊いて簡単摂取!
ゼラチンの栄養とお肌にうれしい効果効能!
コラーゲンは美容に欠かせない栄養素として有名ですが、コラーゲンを体内で吸収しやしくしたものがゼラチンなので、ゼラチンを摂取することは、コラーゲンを摂ることとほとんど同じです。
どのような栄養があり、どのような美容への効果が期待できるのか見ていきましょう。
ゼラチンの栄養成分の内訳は、約87%がタンパク質で、約12%が水分です。ゼラチンの多くの成分を占めるタンパク質は8種類の必須アミノ酸と10種類のアミノ酸で構成されています。
ゼラチンには以下のような効果効能が期待できます。
【美肌効果】
皮膚や血管、骨など全身にコラーゲンは存在していますが、特に皮膚には体内にあるすべてのコラーゲン量の40%が存在しています。
皮膚の本体といえる真皮にはコラーゲンが繊維状になったものが多くを占めており、コラーゲンの生成が盛んになることで、皮膚の状態が改善され、しっとりとしたすべすべのお肌になると考えられます。
【関節痛の緩和効果】
骨と骨の間にある軟骨の成分の多くは水分(65%から85%)ですが、残りの成分のうちの一つはコラーゲンです。
若い時は関節を形成するコラーゲンが生成され、しっかりした軟骨を維持することができますが、年を取るとともにコラーゲンを生成する力が衰えるので、骨と骨と間でクッションになっていた軟骨が減って骨と骨が直接こすれることで痛みを感じます。
しかし、軟骨の成分であるコラーゲの生成により、骨と骨がこすれることが少なくなるため、関節痛が緩和されると考えられます。
ゼラチンの摂取量と効果的な取り方
女性に嬉しい効果効能があることがわかりましたが、1日にどれくらいのゼラチンを摂取すればいいのでしょうか。
ゼラチンの効果を期待するには、1日に小さじ1杯を目安に摂取します。
ゼラチンをそのまま食べるのでなはく、粉ゼラチンをミネストローネなどのスープやジュレなどの料理に使うと簡単に摂取することができますし、他の野菜の栄養も一緒に取ることができるのでおすすめです。
特にビタミンCやビタミンB6を含む野菜と一緒に取ると良いでしょう。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助ける効果があり、ビタミンB6は髪の毛や肌などの古くなった細胞が再生するのを助ける役割があります。
また、ゼラチンには必須アミノ酸のトリプトファンが含まれていないので、トリプトファンを含むマグロやナッツ類、大豆製品や乳製品と合わせて摂取すると良いでしょう。
ゼラチンの糖質とカロリー
プリンやゼリーなどのお菓子に使われることがあるため、糖質は多いのではと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ゼラチンの糖質は0gです。
ゼラチンは馬や牛などの動物の骨に含まれているコラーゲンが原料です。コラーゲンのほとんどがタンパク質であり、ゼラチンには炭水化物も含まれていないため、糖質は0gになります。
一方で、ゼラチンのカロリーは、100gあたり344kcalとかなり高めです。これは、ゼラチンの成分の多くがタンパク質であるためです。
ゼラチンの副作用とアレルギー
ゼラチンには美容や健康への効果効能があることがわかりましたが、ここで心配なのは、ゼラチンを摂取することによる副作用やアレルギーがあるかどうかかと思います。
まず、ゼラチンの副作用についてですが、ゼラチンは薬ではないため、副作用の心配はありません。
一方で、ゼラチンにはアレルギーがあります。食品表示法により、現在表示されているアレルギー物質には、表示義務のある「特定原材料7品目」と表示が勧められている「特定原材料に準ずるもの20品目」がありますが、ゼラチンは、この推奨品目の20品目に含まれています。
子供のおやつなどにグミなどのお菓子を与える方もいらっしゃるかと思いますが、蕁麻疹が出たり具合いが悪くなったり、症状が重いとアナフィラキシーショックを起こすとされていますので、心配な方は与える前に、かかりつけの医者に確認することをおすすめします。
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