夏の風物詩といえば、「スイカ」。
最近では見ることもなくなってしまいましたが、「川でスイカを冷やす」風景を思い出して懐かしい気分になるという方もいるかもしれませんね。
ところで、スイカが「夏の果実の王様」と呼ばれていることをご存知でしょうか。それにはもちろん理由があります。スイカによる疲労回復や熱中症予防をはじめとした効果が、夏の辛い気候を乗り越えるために、強力にサポートしてくれるためです。
もちろん女性に嬉しい美容、健康効果も期待できますので、この夏に積極的に食べたい食べ物の一つです。
また、意外と思われるかもしれませんが、実は、スイカは実の部分だけでなく、スイカの皮や種にも豊富な栄養素が含まれているのです。こちらにも女性に嬉しい効果があり、さらには妊娠中の方にもおすすめです。
スイカに魅力的な栄養や効果効能があっても、やはり、気になるのは、スイカのカロリーや糖質です。甘いので、太るのではないかと思いますが、実際どうなのでしょうか。、また、食べ過ぎによる影響も気になるところです。
食べ過ぎたときの注意点も知って、今年も夏の風物詩を満喫しましょう!
そこで今回は、『妊娠中や美肌にも良い!スイカやスイカの皮と種の栄養と効能効果』と『糖質やカロリー、食べ過ぎによる注意点』についてご紹介します。
目次
スイカとは
旬の時期になると毎年のように「スイカとは野菜?果物?」と話題になるのですが、実は、スイカは分類上では野菜になります。
スイカは、果物としても利用をされることが多いため、スイカは野菜であり果物でもある「果実的野菜」とされています。イチゴやメロンも「果実的野菜」とされているそうです。
「果実的野菜」とは、少々曖昧な表現かと思いますが、農林水産省によってしっかりと定められています。
スイカの生産地は、主に熊本県、千葉県、山形県の3県になります。全体の生産量の3割程を占めます。他にも北海道、鳥取県、新潟県、長野県などでも生産されています。
スイカの種類には色々なタイプがあるのをご存知でしょうか。大玉や小玉と果実の大きさが違うスイカや、赤肉種・黄色肉種など果肉の色が異なるスイカ。また、ラグビーボール型・球型と形によっても種類が違いますし、表皮模様が普通は縦縞ですが、模様が無いものもあります。
果肉が赤色のスイカと黄色のスイカの違いは、「ただ単に色が違うという」だけではなく、栄養成分も違います。赤いスイカはリコピンが、黄色スイカはキサントフィルが含まれており、それぞれ抗酸化作用を始めとする様々な効果があります。
続いてスイカの旬の時期になりますが、旬は夏になります。5月頃から小玉スイカの収穫が始まり、続いて大玉スイカが収穫され始めます。小玉は6月から7月、大玉は7月から8月が美味しい時期になります。
ちなみにスイカの原産はアフリカで、漢字で「西瓜」と書きますが、これは中国より西の方から伝わったウリということに由来すると言われています。
妊娠中や美肌に◎!スイカと皮、種の栄養と効能効果!
普段スイカを食べる時は果肉の部分だけを食べていると思いますが、果肉だけでなく、スイカの皮や種にもそれぞれ栄養があります。
皮や種も効率よく食べる方法もご紹介しますので、まずはそれぞれの栄養と効果効能を見ていきましょう。
スイカの栄養と効果効能
スイカに含まれている主な栄養素は次の通りです。
- βカロテン
- リコピン
- ビタミンC
- カリウム
- マグネシウム
- ビタミンB1、B2
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- アンチエイジング効果
- 美肌効果
- むくみ解消効果
- 疲労回復や熱中症予防
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【アンチエイジング効果】
スイカにはアンチエイジング効果が高い栄養素のβカロテンが豊富に含まれています。
また、スイカに含まれるリコピンも同じようにアンチエイジング効果が高い栄養素です。リコピンと言えば赤いトマトで有名ですが、スイカの赤にもリコピンは沢山含まれおり、トマトの1.5倍の量になります。
スイカのβカロテンとリコピンの作用で細胞を酸化させ様々な病気や老化の原因となる活性酸素を除去することができるので、アンチエイジングに効果があると言われています。
【美肌効果】
スイカにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCには、お肌の弾力を保つコラーゲンの生成を促進する作用があると言われており、美肌やシワの予防効果に欠かせない栄養素です。
また、ビタミンCはメラニン色素の生成を抑制するので、しみの予防にも効果が期待できます。
【むくみ解消効果】
むくみは、塩の主成分であるナトリウムを多く摂取することで、体内のナトリウム濃度を下げるために体に水分を溜め込んでいる状態のことです。むくみを改善、予防するためには、体内の余分な水分とナトリウムを排出するカリウムが必要となります。
スイカには利尿作用の高いカリウムとマグネシウムが含まれています。
余分なナトリウム(塩分)を体の外に排出したり、体内のナトリウムの量を調整したりすることで、くみの解消の他に腎臓機能を改善にもつながります。
体がむくみやすいと体内に水分が蓄積されやすいので、太りやすい体質になってしまいます。カリウムとマグネシウムの利尿作用でダイエットにも効果的です。
【疲労回復や熱中症予防】
スイカには、すばやくエネルギーに変わる果糖やブドウ糖、糖質をエネルギーに変えるためのサポートをするビタミンB1やビタミンB2が含まれているため、疲労回復に優れていると言えます。
また、スイカは水分が90%以上と豊富で、水分補給ができるので、熱中症予防にも効果が期待できます。
さらに、スイカに少量の食塩を加えることで、汗とともに流れ出てしまったナトリウムを補えるので、効果を高めることができます。
スイカの皮の栄養
スイカの皮に含まれている主な栄養素は次の通りです。
- シトルリン
- 食物繊維
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- 高血圧予防
- 冷え性予防
- デトックス効果
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【高血圧予防&冷え性予防】
スイカに含まれている栄養成分シトルリンはスーパーアミノ酸とも呼ばれており、血管を広げて血の流れを良くする作用を持っています。
シトルリンは特にスイカの中でも皮に多く含まれている成分で、果肉の2倍もの量が含まれています。
血行が良くなることで血圧を下げる効果があることから、冷え性改善や高血圧予防に効果が期待されます。
また、女性、特に妊婦さんは冷え性や高血圧に注意が必要なので、スイカの中でも皮に多く含まれるシトルリンは是非、摂りいれたい栄養素です。
【デトックス効果】
スイカの皮には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維の作用によって、腸内環境を整えて便秘を解消するなどデトックス効果が期待できます。
実の部分にも食物繊維は含まれていますが、それ以上に皮の部分に多く含まれています。
スイカを食べるときには実の部分だけを食べて皮は捨ててしまうことが多いのですが、これからは皮も漬物などにして食べるようにすることで、より多くの食物繊維を摂りいれることができて、デトックス効果への期待がより高まります。
スイカの種の栄養素
日本ではあまり馴染みはありませんが、中国ではスイカの種を食べるのは一般的です。料理やおつまみ、お菓子にも使われています。
スイカの種に含まれている主な栄養素は次の通りです。
- モリブデン
- 葉酸
- 銅
これらの栄養素により、貧血予防の効果効能が期待できます。
【貧血予防】
毎月の月経の影響もあり貧血症になる女性も多くいることから、つい「いつものことだ」と貧血を軽く見てしまうことも多いかもしれません。
しかし、貧血を軽く見てしまうと、顔色が悪くなったり、倦怠感に疲労感、めまいだけでなく血が止まりにくいなど体に悪影響が色々と起こる可能性があります。
スイカの種には血液を作るのに大切な働きをする、モリブデン、銅と葉酸が含まれていますので、貧血予防に効果的な食品です。
また、スイカは体を冷やすので食べすぎには注意が必要なのですが、種を食べても体を冷やすことはありませんので、冷え性が気になる女性や妊婦も安心して摂りいれることができます。
スイカのおすすめの食べ方「スイカ糖」
スイカに含まれる沢山の栄養効果を残さず摂りいれたいのなら、スイカ糖がもっとも良い方法です。
スイカ糖は赤い果肉、皮、種のすべてを一緒に細かく砕いて煮詰めて作ります。密閉容器に入れて冷蔵庫で長く保存も可能な食品です。
1日にスプーン3杯だけを摂ればよく、血流改善、むくみ予防、ダイエット効果、便秘予防など様々な効果がまとめて期待できます。もちろんスイカに含まれる妊婦に良い効果はスイカ糖にしても失われることはありません。
【スイカ糖の作り方】
- スイカ大1/4または、スイカ小なら1個の果肉と皮、種をミキサーにかける。丸ごとスイカ1個でもOK
- すいかジュースを布でこす
- こしたジュースを鍋に入れ、中火で煮詰める
- 浮いてきた赤い浮遊物やアクを取り除く
- 蜂蜜くらにトロッとなったらできあがり
スイカのカロリーと糖質は?
スイカは甘いので、カロリーや糖質は高いと思われていますが、実は、スイカの可食部100gあたりのカロリーは37kcal、糖質は9.5gと低めです。これは、スイカの約90%は水分であるためです。
スイカを食べ過ぎたときの注意点
夏場で注意しなくてはいけないのは、脱水症状ですよね。水分補給に水分たっぷりのスイカはピッタリですが、食べ過ぎには注意が必要です。
スイカを食べ過ぎると、利尿作用でトイレが近くなってしまうだけではなく、腹痛や下痢になってしまったり、体が冷えてしまうことがあります。
特に体を冷やさない方がよい、冷え性や体調をくずしている人、妊娠中の方は食べ過ぎには注意が必要です。
スイカは、むくみや新陳代謝の改善、美肌効果が期待できるなど女性にはうれしい食品ですので、食べ過ぎには注意して食べるようにしましょう。
スイカの保存方法
食品保存なら冷蔵庫と思いがちですが、意外にもスイカの保存法は常温が適しています。
スイカは冷やしすぎると甘みがどんどん落ちてしまいます。そのため冷蔵庫の温度は低すぎるので、カットしていない状態なら暗くて涼しい場所に保存します。保存期間は、長くても2週間くらいで食べ切るのが理想です。
カットしたスイカならしっかりラップをして、こちらは冷蔵庫に保存します。できるだけ早く2日~3日以内で食べることをおすすめします。
食べきれない場合は、潰して密閉袋や密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。保存期間は、1ヵ月くらいでシャーベットやスムージーなどにして食べるとよいでしょう。
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