オートミールとはどのような食べ物かご存知でしょうか?日本では、まだ馴染みの無い食品かもしれませんが、アメリカでは定番の朝食となっています。
その栄養素の高さから海外セレブやアスリート、ダンサーの方にも良く食べられており、オートミールはグルテンを含まないグルテンフリーの食べ物としても人気となっています。
オートミールとは何?という方もいらっしゃるかと思いますので、オートミールの栄養や効果効能はもちろん、オートミールの原料として混同されがちな大麦や押し麦との違いやグルテンについても解説いたします。
また、赤ちゃんの離乳食にもおすすめな食材ですので、オートミールを使った離乳食も紹介させていただきます。
そこで今回は、『オートミールとは?大麦との違いやグルテンフリーなのか』、『オートミールの栄養と効果効能』、『オートミールの赤ちゃんの離乳食』についてご紹介します。
これで、オートミールとは何かわかっていただけるかと思いますので、明日から朝食はオートミールで決まりです!
目次
オートミールとは?大麦との違いは?
「オートミールとは何か?」と聞かれるとちょっと考えてしまいますよね。外国映画でよく観かける朝食に食べている薄い茶色っぽいシリアルと言えばイメージできるでしょうか。
オートミールは、オーツ麦=燕麦(えんむぎ)を蒸して、押し麦にして作られた食品です。
オートは「オーツ麦」、ミールは「食事」であり、オーツ麦を食べやすく、調理しやすく加工したものになります。押し麦に見た目は似ていますが、押し麦はオーツ麦ではなく、大麦を押し潰して加工したものになります。
オートミールの原料がその見た目から押し麦=大麦と混同しやすいのですが、オートミールの原料はオーツ麦であり、大麦ではありません。
もう一つ気になるのが、シリアルと言えば、朝食で良く食べられるグラノーラがありますが、オートミールとの違いをご存知でしょうか?
グラノーラは、材料にオートミールを主として使用していますが、麦や玄米、ナッツ、ココナッツなどを加えて味付けし、焼いてすぐにでも食べられるようにした食品です。ちょっと甘味もあるのでヨーグルトを加えたり、お菓子がわりに食べる人も結構いるようです。
オートミールは、味付けされていない燕麦(えんむぎ)だけで作られているのでそのまま食べるのではなく、ひと手間加えて食べるのが主流です。甘味も加えていないため本当に主食というイメージですね。
海外では、基本は水や牛乳で煮込んでお粥のようにして食べたり、牛乳をかけて食べることが多いのですが、トッピングにお好みのナッツ類やドライフルーツを加えてもおいしく頂けます。
味付けやトッピングを加えるだけではなく、オートミールでお菓子を作ることもできます。オートミール作ったクッキーはしっとりした歯ごたえで、いつもと違った食べ方を楽しめます。
オートミールはグルテンフリー?
グルテンとは、小麦やライ麦などの穀物に含まれている「グリアジン」と「グルテニン」を水と一緒にこねるとできるたんぱく質の1種です。このグルテンによりパンに弾力や粘りを作りだすので、パン作りには欠かせい成分になっています。
しかし、グルテンは、良いことばかりでなく、「セリアック病」という、グルテンに対する免疫反応が引き金なって起こる自己免疫疾患の患者が摂取すると小腸の炎症により、栄養が吸収できなくなってしまう病があります。
また、セリアック病だけでなく、グルテンが様々な問題を引き起こす原因となることがわかってきており、グルテンが含まれないグルテンフリーの食事の需要が高まってきています。有名なスポーツ選手がグルテンフリーの食生活を取り入れているということでも話題になりました。
オートミールはグルテンフリーの食べ物として健康に良いとされる食べ物の一つとして人気です。
ただし、厳密にいうと、オートミールは全くのグルテンフリーではありません。
これは、オートミールの原料であるオーツ麦に含まれるグルテリン系のタンパク質(小麦の場合グルテニン)やプロラミン系タンパク質のアベニン(小麦の場合グリアジン)が含まれる為です。これらは、小麦に含まれるグルテンと似た働きをします。
一般の方は特に神経質になって注意する必要は無いと思いますが、オートミールは、グルテンフリーとはいえ、セリアック病の人は注意が必要です。
なお、CODEX委員会やFDA(米国食品医薬品庁)の規定した規則では、グルテンの含有量がゼロでなくも「グルテンフリー」の表示が可能となっています。また、日本ではグルテンフリーの表示について規則はありません。
オートミールの栄養と効果効能
オートミールのカロリーは100gあたり約380kcal。糖質は100gあたり約59.7gになります。 白米と比べると、白米は100gあたりのカロリーが約356kcal、糖質が約36.7gとなりますので、オートミールのカロリーと糖質は、高いことがわかります。
オートミールに含まれている主な栄養素は次の通りです。
- 水溶性食物繊維(βグルカン)
- 不溶性食物繊維
- 鉄分
- ビタミンB6
- 亜鉛
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- 便秘予防と腸内環境改善
- ダイエット効果
- 基礎代謝アップ
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【便秘予防と腸内環境改善】
オートミールには食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維とβグルカンという水溶性食物繊維の2種類です。これらの食物繊維は効果効能が違います。
オートミールに含まれている不溶性食物繊維は、水分を吸収して便を膨らませ排便を促したり、老廃物などを排泄しやすくするデトックスの効果があります。
水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質を持っています。水に溶けるとゲル状なり、善玉菌を増やし腸内環境を正常に保つ働きをします。どちらも便秘予防や腸内環境の改善に大切な栄養成分です。
便秘の人の中には不溶性食物繊維でなくては便秘が改善されない人や、水溶性食物繊維でなくては便秘が改善されない人もいますので、オートミールはどのタイプの人でも便秘改善効果が期待できる食品です。
【ダイエット効果】
オートミールはGI値が低い栄養バランスのとれた食品です。
GI値とはグリセミック指数といって、この指数が高いと食後の血糖値が急激に上がり、太りやすくなります。逆にこの指数が低いと食後の血糖値が緩やかに上がるので、肥満を防ぐのに有効です。
オートミールの原料はオーツ麦で出来ています。オーツ麦は穀物で炭水化物が含まれており、同時に糖質も含まれています。
最近では、糖質制限ダイエット法や炭水化物ダイエット法も話題になっているため、炭水化物や糖質が含まれているオートミールはダイエットに不向きな気がしますが、オートミールのGI値は55と白米など他の穀物に比べて数値が低いので、炭水化物ダイエット法や糖質ダイエット法に挑戦中の人でも、安心して食べることの出来る穀物です。
また、水溶性食物繊維のβグルカンは、粘着性があり、胃腸内をゆっくりと移動する性質があるので、満腹感が続き、食べ過ぎを防ぐことができます。
ただ、オートミールには炭水化物だけではなくたんぱく質も含まれています。炭水化物を食べ過ぎるとダイエットに逆効果になったり、たんぱく質を摂り過ぎると腎臓に負担をかける恐れがあります。ダイエットと健康のためにも食べ過ぎには注意が必要です。
【基礎代謝アップ】
オートミールには筋肉を作るのに必要な栄養成分、ビタミンB6と亜鉛が含まれています。
ビタミンB6は筋肉や血液を作る働きをしており、体の免疫機能にも関わっている栄養成分です。
亜鉛は筋肉などが傷ついたときに修復してくれたり、代謝を上げる働きもしてくれる栄養成分です。運動をすると少なからず筋肉は傷つくのですが、それを亜鉛が修復してくれる働きをします。ビタミンB6と亜鉛はセットで摂りたい栄養素です。
筋肉は運動以外にも心臓や血管を正常に動かしたり、立ったり座ったり、同じ姿勢を保ったりと日常生活を送るのに必要な組織です。筋肉を作ることで基礎代謝が上がりエネルギーが燃焼される効果もあります。
もちろん筋肉を作るのは食事だけではなく適度な運動も必要です。適度な運動と栄養バランスの良い食事を摂ることで基礎代謝アップの効果が期待できます。
オートミールは赤ちゃんの離乳食にしても大丈夫?
栄養バランスに優れているオートミールは、少量で栄養が摂れて血圧、糖質、貧血、体重増加などを気をつけなくてはいけない妊婦さんにおすすめです。
また、妊婦さんは妊娠中に便秘になることが多いので、食物繊維を含んでいるオートミールは便秘予防にぴったりの食品です。
オートミールは妊婦さんだけではなく、赤ちゃんの離乳食にもおすすめで、利用している人も多いようです。
離乳食初期ならよくすり潰した状態でお粥にして、離乳食中期なら野菜スープにしたり、離乳食後期なら柔らかくしたオートミールをホットケーキに混ぜて焼いたり、手づかみ食べの練習に茹でたかぼちゃを混ぜたおやきとレシピのアレンジも色々です。
離乳食を作りすぎてしまったら密閉袋か密閉容器に入れて冷凍保存します。解凍はレンジでチンすれば食べられますが、離乳食なので長期保存せずに早めに使い切るようにしてください。
オートミールはアレルギーになりにくい食品ですが、始めて与えるときは発疹やかゆみ下痢や嘔吐に気をつけて、気になったらかかりつけ医に相談してみてください。
筋トレに!オートミールの効果的な食べ方やいつ食べるのがいい?
綺麗な体づくりや健康の為に、女性の方で筋トレをされる方が増えていますが、オートミールは穀物なので主に炭水化物、タンパク質、脂質でできています。
筋トレ中の人には、筋肉を動かすエネルギー源の「炭水化物」と筋肉を作るのに大切な「タンパク質」は無くてはならない成分なので、筋トレ効果のアップにおすすめです。
また、脂質も悪者にされがちですが、脂質は食事への満足感を与えてくれます。
炭水化物を摂るタイミングは筋トレ前でも筋トレ後でも筋肉を育てるのにピッタリの食品なのですが、おすすめの食べ方としては、1度に食べる量は約30gのオートミールにプロテインを加えると効果的です。
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