近年、スパイスカレーに人気が集まっているので、スパイスについて知識のある方も増えてきているのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、カレーによく使われているスパイスの一つ、クミンパウダーです。
クミンパウダーは薬膳としても使われるほどさまざまな効果効能がある香辛料です。使い方は、主に香り付けとして活用され、カレー以外の料理でも意外と簡単に料理に活用することができます。
さまざまな料理に活用できますが、家にクミンパウダーがない場合、代用できるものはあるのでしょうか。また、クミンパウダーを食べるとき、副作用などはないのでしょうか。
今回は、『クミンパウダーの効果効能』と『カレー等のクミンパウダーの使い方』、『クミンパウダーの代用品や味』と『クミンパウダーの副作用』についてご紹介します。
目次
クミンパウダーとは?どんな味?
クミンパウダーとは、エジプトが原産のセリ科の一年草であるクミンを粉状にしたもので、「ウマゼリ」、「キュマン」、「ジーラ」などとさまざまに呼ばれています。イランが最大の輸出国となっており、他にも南アジアやヨーロッパなどでも栽培されています。
古くから美容や薬用をはじめ、まじないにも用いられ、古代エジプトの医学書に載っているほどの歴史があります。ヨーロッパや中東で特によく使われており、カレーの香辛料には欠かせないスパイスです。
強い香りと苦味や辛みのある味が特徴です。カレー以外にもソーセージやピクルス、パンなどにも使用されています。
スーパーの調味料・香辛料のコーナーへ行くと手に入りますが、クミンパウダーと並んでクミンシードというスパイスも目につきますよね。
クミンシード(ベージトップ写真)はクミンの種子そのままの形をしており、緑みのかかった茶色をしています。これに対してクミンパウダーは調理に使いやすいように粉状にしたものです。
クミンシードは調理の最初に炒めるなどして香りを引き出すのに使い、クミンパウダーは生地に練りこんだり、料理にまぶすなど、使い方に若干の違いがあります。
クミンパウダーは使いやすいという利点はありますが、加熱や時間の経過によって香りが飛びやすいというデメリットもあります。
クミンパウダーの効果効能
クミンは調味料としてだけでなく、薬膳としても効果効能が期待できます。料理だけでなく、クミンシードを炒ってお湯で蒸らし、お茶として飲んでいるという方もいるほどです。
クミンパウダーの100gあたりのカロリーは374.5kcalです。これだけ見ると多いように感じますが、実際に料理に使うときは多くても大さじ1~3程度なので、22~66kcal程度になります。この程度であれば、カロリーを気にせず料理に使うことができますね。
【食欲増進効果】
カレーのにおいを嗅ぐと、なぜかお腹が空いてきたという経験をしたことがある方も多いと思います。クミンの香りには食欲を増進する効果があり、夏バテなどで食欲が湧かないというときにおすすめです。
【消化器官を活性化する効果】
クミンの代表的な成分であるクミンアルデヒドやリモネンには、消化器官の働きを活性化する効果があります。また、腸の調子を整える効果のある食物繊維も豊富に含まれており、便秘解消にも効果が期待できます。
【血行を良くして貧血を予防する効果】
クミンにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは血管を広げて血行を良くしたり、血圧を上げる原因となるナトリウムの排出を促す作用があります。
また、ビタミンB6やマグネシウム、鉄分などのミネラル類も豊富で、血中のヘモグロビンの生成を助けるなど貧血の予防に効果があると言われています。
【むくみ改善効果】
カリウムは、塩分を摂り過ぎて体に溜まってしまった水分を尿や汗として排出し、体内の塩分のバランスを調整する作用があり、むくみ改善効果期待できます。
【免疫力アップ】
リモネンには免疫力をアップさせる作用があります。体に入ってきたウイルスとたたかい、風邪や喘息などの病気を予防する効果が期待できます。
【アンチエイジング効果】
クミンにはビタミンCやビタミンE、リモネンやクミンアルデヒドといった、抗酸化作用の高い成分が多く含まれています。
体に発生しすぎた活性酸素を除去して、シミやしわを防ぐなどアンチエイジングに効果があると言われています。
活性酸素は高血圧や心筋梗塞、がんなど重大な病気の原因となります。抗酸化作用を持つ成分はこれらの病気を予防する効果が期待できます。
また、クミンには抗酸化作用に加えて脳の機能を守り、活性化する作用があると言われています。
カレーに含まれるクミン以外のスパイスも脳を刺激する作用があり、スパイスをたくさん使った薬膳カレーを朝に食べると頭がスッキリして1日を過ごせるそうですよ!
【ダイエット効果】
クミンに含まれる植物ステロールは、血中のコレステロール値を下げる効果があります。
コレステロール値を下げることによって代謝を良くし、中性脂肪が増えるのを防ぐので、ダイエットに効果があると言われています。
カレー等クミンパウダーの使い方!代用品はある?
クミンシードやクミンパウダーはカレー等に良く使われる香辛料です。独特の香りと風味を持っており、代用品を探すのは難しいかもしれません。
風味をプラスするのであればナツメグを使う方もいらっしゃいますが、やはりクミンよりは風味も香りも弱くなってしまいます。さまざまな料理に活用できるので、無理に代わりを探すのではなく、購入してしまうほうがいいかもしれません。
クミンシードの使い方
クミンシードは、料理の一番初めに炒めたり、煮出したりすることで香りを引き出すため、「スタータースパイス」の一つです。料理の始めに一手間加えることによって、クミンパウダーよりも香りのもちが良くなります。
【クミンシードを使ったレシピ:チキンのトマト煮込み】
- 鶏もも肉1枚を一口大に切ったら、酒と塩に漬けて下味をつけておく
- 玉ねぎ1/2個は薄くスライス、しめじ1パックを適当にばらし、にんにく2片をスライスしておく
- フライパンを油を引かずに熱し、鶏肉を入れて焼き色をつける。表面がパリッとしたら皿に上げておく
- 鶏肉を焼いたフライパンにそのまま適量のオリーブオイルを入れ、にんにくとクミンシード小さじ1を入れて弱火にかけ、オイルに香りをつける
- 玉ねぎを加え、中火でしんなりしたらしめじを加えてさらに炒める
- フライパンに適量の白ワインとトマト缶1缶を加え、しばらく火にかけて水分を飛ばす
- 鶏肉を加え、弱火で10分ほど加熱したら、塩胡椒で味を調えてできあがり
クミンとにんにくを焦がさないようにするのがポイントです!エスニック風のトマト煮込みが自宅で出せるようになりますよ!
クミンパウダーの使い方
クミンパウダーはクミンシードと違い、料理の最後にふりかけることによって香りと風味をプラスすることができます。手間がかからず簡単に料理に活用できますが、クミンシードに比べて香りのもちや風味が劣るので、より本格的なメニューに挑戦したいのであれば、クミンシードのほうがおすすめです。
【クミンパウダーを使ったレシピ:クミンドレッシング】
- ケチャップ・マヨネーズ大さじ3、レモン汁小さじ1、クミンパウダー小さじ1/4、ブラックペッパー少々、お好みでパセリのみじん切りをボウルなどに入れ、よくかき混ぜる。
- 綺麗に消毒した保存容器に入れてできあがり!
混ぜるだけでちょっと変わったドレッシングのできあがりです。サラダにかけるだけで、いつもの食事にバリエーションが出せます。
クミンパウダーの副作用
クミンシードやクミンパウダーを使うときの注意点としては、人によっては副作用が出る場合があるということです。料理に使う際は十分に注意しておく必要があります。
辛みが強いため、胃の粘膜を傷つけ、胃痛や胃もたれを起こす場合があります。特に妊娠初期の方はクミンパウダーの使用は控えるようにしましょう。
また、セリ科の植物にアレルギーのある方は、少量であってもアレルギー症状が出ることがありますので、使用する場合は医師などに相談してからにしましょう。
使い方に十分注意して、様々な美容健康効果を得られるクミンパウダーを日々の生活に取り入れていきたいですね。手軽に料理に加えることができるので、スパイスを使った料理にはじめてチャレンジする方にもおすすめです!
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