「ネバネバ食材は体にいい!」と昔からよく言われています。積極的に食事に取り入れようと意識している方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、「自然薯」をご紹介します!
見た目は山芋そのものなのですが、わざわざ「自然薯」と書かれているのを見かけますよね。表示が変わるということは、何か違いがあるということなのでしょうか。
見た目が似ている大和芋や長芋との違いも気になるところです。みなさんは違いをご存知でしょうか?
自然薯とは何か、栄養や効果効能も含めて詳しく見ていきたいと思います。また、毎日の食事に取り入れるために、冷凍や常温での保存方法や、保存期間までご紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
そこで今回は、『自然薯とは?山芋とはどう違う?』、『自然薯の栄養と効果効能』と、『保存方法(冷凍・常温)や保存期間』をご紹介します。
自然薯とは?山芋とはどう違う?
自然薯とは何かというと、産地が日本の山芋のことをいいます。自然薯と大和芋、長芋などをまとめて山芋と呼んでいます。
自然薯は日本各地の山野に自生しており、天然もので、流通量は少ないですが、箸でつかむことができるほど粘り気が強く、人気の食材です。
山芋や長芋、大和芋との違いは?
自然薯は日本が原産種です。大和芋は南方原産、長芋は中国原産の外来種で、原産地の違いが大きな違いの一つです。
自然薯は日本原産種の希少な植物で、古くから食用だけでなく、薬用としても使われてきました。その歴史は米よりも古く、縄文時代から食べられていたようです。
自然薯の旬は11月~1月頃です。長芋は11月~1月、4月~5月、大和芋は10月~3月です。収穫する時期がそれぞれ違い、長芋の春堀り以外は、秋から春にかけてが旬となります。
同じ重さのそれぞれの山芋の値段は、天然物である自然薯が一番高く約4000円、長芋は、約1000円、大和芋は、約1500円~2000円位です。
カロリーは自然薯や山芋類は、イモ類の中では低めです。自然薯のカロリーは100gあたり121kcal。長芋は100gあたり65kcal。大和芋は100gあたり123kcalになります。
粘り気は、自然薯>大和芋>長芋の順で強くなります。
長芋の栄養や効果効能についても紹介していますので、こちらの記事も合わせて見てみてください!
長芋の栄養と効果効能!炭水化物、カロリーや糖質は?食べ方、加熱調理は良いのか解説!
とろろの作り方
細かい効果については後述しますが、自然薯をはじめとする山芋類には、アミラーゼやジアスターゼ、ムチン、ビタミンなどが豊富に含まれています。
これらの栄養素は熱に弱いという性質があり、加熱すると働きが失われてしまいます。生のまま食べるとろろは、栄養素を効果的に摂取できる食べ方であるため、大変おすすめです。
とろろには主に、大和芋か自然薯を使います。長芋も使いますが、水分が多く粘りが少ないので、とろろには大和芋か自然薯がおすすめです。粘りが少ない方がお好みの方は長芋がよいでしょう。
長芋のおすすめの食べ方ですが、短冊や薄切りにして醤油をかけて食べたり、サラダに加えたり、揚げ物などにします。シャキシャキ感を活かしたレシピに活用しましょう。
自然薯の皮には、栄養や風味がたくさん含まれているので、皮のまま使うのがポイントです。おろし金で摺りおろした後、すり鉢で丹念に練って下さい。
和風出汁を加えてお好みの風味を付けると美味しく食べられます。摺り下ろす前には酢水につけておくことで、ぬめりが減り変色が防げます。
また、変色予防のために、おろし金は金属製ではなく、プラスチック製や陶器のものを使うこともポイントです。
すり鉢がない場合は、フードプロセッサやミキサー、ハンドミキサーを使うこともできますが、なめらかさに欠けるのが難点です。
自然薯の栄養や効果効能
自然薯は古くから漢方として用いられ、さまざまな健康効果があると言われています。自然薯に含まれている主な栄養素は次の通りです。
- アミラーゼ
- ジアスターゼ
- カリウム
- ビタミンE
- ビタミンC
- 食物繊維
- ムチン
- ディオスゲニン
これらの栄養素により、以下のような効果効能が期待されています。
- 生活習慣病予防
- アンチエイジング効果
- 滋養強壮
- むくみ解消効果
- 便秘解消効果
それぞれの効果効能について、詳しくみてみましょう。
【生活習慣病の予防】
自然薯には、ネバネバ成分であるムチンが含まれています。
ムチンは多糖類の水溶性食物繊維で、私たちの口や鼻、胃などの粘膜にも存在しており、ウイルスの侵入を防ぐ抗ウイルス作用や胃の粘膜を保護して腸内環境を整えて免疫機能をアップする働きがあります。
また、コレステロールや糖分の吸収を抑制し、肝臓・腎臓機能を助ける働きがあり、糖尿病や高脂血症予防にも役立ちます。
自然薯に含まれるビタミンEは、強い抗酸化作用があり、血管が硬くなるのを防いで動脈硬化や高血圧の予防にも効果が期待できます。
自然薯に含まれるビタミンEは他の山芋類より多いのが特徴です。その含有量は100gに4.1mgと豊富に含まれており、他の山芋の約20倍もあります。
【アンチエイジング効果】
自然薯に含まれるビタミンEは、強い抗酸化作用があり若返りのビタミンと呼ばれています。活性酸素を除去する働きにより、皮膚や血管を保護して、血行を促し美肌効果や老化防止に役立ちます。
ビタミンEと同じように抗酸化作用のあるビタミンCも多く含まれています。含有量は長芋の約2.5倍あります。
さらにディオスゲニンには、ホルモンバランスや若さの維持に関係しているDHEAを増やす働きがあるとされています。
DHEAはホルモンの分泌を促進させ、女性に嬉しい老化防止の効果が期待できます。
【滋養強壮】
ネバネバのムチンは胃の粘膜を保護、修復する働きがあります。また、アミラーゼやジアスターゼの消化酵素を含んでいるため、栄養の吸収効率が高まることで、結果、疲労回復や滋養強壮に繋がります。
【むくみ解消効果】
自然薯にはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)や水分を外に排出し、むくみを解消する効果が期待できます。
また、血圧の上昇を抑え、高血圧の予防効果も期待できます。
【便秘解消効果】
自然薯には食物繊維が豊富です。自然薯の食物繊維は不溶性食物繊維で水に溶けない性質を持っています。
不燃性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して腸の蠕動(ぜんどう)を活発にすることで、有害物質の排出を促します。
その結果、便秘が解消され、コレステロールや老廃物も一緒に吸着して排出します。
自然薯の冷凍・常温の保存方法や保存期間は?
栄養豊富で美容健康効果も期待できる自然薯を少しでも長い間おいしくいただけるように、自然薯の保存方法をご紹介します。
- 自然薯をそのまま保存する場合
- とろろにしている場合
- カットしている場合
新聞紙で包み、風通しがよく涼しいところや冷暗所に置いておきます。新聞紙の代わりに少し湿らせたおがくずの中に入れて保存すると更に長持ちします。
ただし、保存温度は1〜3度が最も状態良く保存できるとされていますので、夏場に向かって、暖かくなってきたら、新聞紙またはビニール袋に包んで冷蔵庫で保存してください。保存期間は冷蔵保存の場合は、1か月程度です。
とろろにした自然薯は、冷蔵庫で保存する場合は、保存期間は3日程度です。
冷凍の場合は、ラップかジッパーに入れて、薄く延ばして保存します。保存期間は、2週間程度です。必要な量だけ使うことができるので、冷凍保存がおすすめです。
解凍後は粘りや風味が弱くなっていることがありますので、再度すり鉢で練り混ぜることで、粘りや風味が再び戻ります。
また、解凍することで鮮度が落ちてしまうので、再度冷凍保存することはおすすめしません。使い切れる量に小分けして保存するのがよいでしょう。
切り分けた場合、切り口が酸素に触れて変色し、水分が失われてしまいます。切り口をラップで密封して冷蔵庫で保存するのがいいでしょう。保存期間は、1週間程度です。
下処理した状態で冷凍保存すると便利です。
皮をむき、輪切りや半月切りにして固めに茹でます。冷水で冷まし水気を拭いて、フリーザーバッグなどに入れて冷凍しておくと、使う時に、解凍せずにそのまま調理できて便利です。保存期間は冷凍で1か月程度です。
煮物など加熱して調理したものも冷凍保存することができますが、風味が損なわれてしまうのでなるべく早く食べ切るようにしましょう。
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