料理の味をさらに引き出してくれる魔法の葉っぱ、ローリエ。
子どもの頃、カレーやシチューに入っているのをみて、「食べられないのになんで入っているのだろう」と疑問に思っていたのは私だけではないはずです。
ローリエとは月桂樹の葉を乾燥させた香辛料で、さまざまな料理に使われています。
習慣でなんとなくローリエを入れている方も多いかと思いますが、実際、どのような効果があるのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。
料理でのローリエの使い方やローリエがないときの代用品、使わない時の保存方法、ご家庭で栽培されている方もいらっしゃるかと思いますので、乾燥の仕方なども気になるところです。
そこで今回は、『ローリエとは』、『ローリエの効果や料理での使い方と代用品』、『乾燥の仕方や保存方法』、そして『神聖な木とされる、月桂樹についての豆知識』についてもご紹介します。
ローリエとは
ローリエとは、地中海沿岸部が原産のクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑樹である月桂樹で、市販されているものはこのローリエの葉を乾燥させたものです。
古代ギリシャの時代から香辛料として使われてきた、歴史の長い食材です。
ローリエとはフランス語で、スペイン語ではローレルと言います。それぞれの
名前で売られていますが中身は同じものです。
ベイリーブスという名前で売られている香辛料もありますが、これは「カシア」の葉を乾燥させたもので、ローリエの葉とは別のものです。
ローリエ自体も食べれるのですが、香りとは裏腹に味が苦いので、香り付けや臭み取りに使われることがほとんどです。
ローリエの効果
古くから生薬としても使われてきたローリエには、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、鉄、マグネシウムなどの栄養素が含まれていますが、主にここでは、
ローリエの香り成分であるシネオールやリナロール、オイゲノールなどの効果をご紹介します。
【消化促進効果】
シネオールの効果により、胃や腸、腎臓や肝臓の働きを活発にし、消化促進の作用があります。
【抗菌・抗ウイルス効果】
ローリエの香り成分には殺菌効果・抗ウイルス効果があります。
風邪やインフルエンザの予防や、症状緩和に効果が期待されています。
【抗炎症効果】
ローリエに含まれるピネンやサピネンには、炎症を和らげる効果があります。関節痛や神経痛、リウマチなどの痛みを抑えるといわれています。
料理での使い方
ローリエは主に、肉料理の臭み取りとして使われます。
ポトフやカレー、シチューなどの煮込み料理に使うことが多いですが、魚料理やマリネ、パスタソースなど料理全般に幅広く使うことができます。
ローリエを入れるタイミングは、煮込み料理であれば煮始めるとき、マリネなどは食材を漬け込むときに一緒に入れます。大量に入れる必要はなく、少量でも十分香りが感じられます。
時間がたつと苦味が出てしまうといわれているので、香り立ったら取り出すほうがよいですが、あまり気にならないので、食べるタイミングで取り出すという方も多いです。
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ローリエの代用品
ローリエがない場合、代用品として何か入れる必要があるかというと、実はそういうわけではありません。ローリエは臭み取りの意味合いが強いので、入れなくても味にほとんど変わりはないためです。
臭みが気になるので、どうしてもローリエの替わりに何か入れたいという場合は、ナツメグやバジル、タイムやローズマリーといったハーブで代用することができます。
上述したベイリーフは、ベイリーフの替わりにローリエを使うのは問題ありませんが、ローリエの替わりにベイリーフを使うと、香りが強くてうまくいきません。
ナツメグやバジルなどを使う場合も、風味が強すぎるので量を調整する必要があります。
ローリエの葉の乾燥の仕方
ローリエはお庭やプランターなどで育てられます。育てたローリエをうまく乾燥・保存して料理に使うこともできます。ここでは、ローリエの葉の乾燥の仕方についてご紹介します。
【ローリエの葉の乾燥方法】
ローリエの栄養価が高くなるのは、乾燥期間が2週間ほどのものだといわれています。
葉や茎ごと収穫したら、軽く水洗いし、水気を拭き取って日陰に干すのが基本の乾燥方法です。
湿度が高いとカビが生える危険性がありますので、風通しのよい日陰に干すようにしましょう。
干すスペースがない方などは、耐熱容器に広げてレンジで水分を飛ばすという方法もあります。少しずつ様子を見ながら、ローリエがカラカラになるまで加熱し、保存します。
ローリエの保存方法
使う頃合いを見て乾燥させて使うのが本来の使い方としては香りや効果を保つベストな方法かと思いますが、すぐに使わなかったり、乾燥したローリエを購入される方が、殆どかと思いますので、保存方法をご紹介します。
ジップロックなどの袋や密閉容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、香りも持続できるので、おすすめです。
保存するときは砕けてしまったり、折れてしまうと香りと効果が劣化しやすくなるので、丁寧に扱うようにしましょう。
料理以外で使われる月桂樹
ローリエ=月桂樹の花言葉は「栄光」「勝利」「栄誉」です。
マラソンなどオリンピックの優勝者が葉で作られた冠をかぶっているのを見たことはありませんか?
実は、あの葉は月桂樹の葉で作られている「月桂冠」なのです。古代ギリシャ・ローマ時代の頃から月桂樹は神聖な木とされ、月桂冠を作って栄誉をたたえたといわれています。
その理由には、ギリシャ神話のエピソードが大きく関わっています。簡単にご紹介しますね。
太陽神アポロンは、愛の神エロスの持つ弓をからかったことで怒りを買い、その仕返しにアポロンに「最初に見た女性に恋をしてしまう矢」を打ちました。その矢の効力でアポロンはダフネというニンフ(精霊)に恋に落ちました。
次にエロスはダフネに「最初に見た男性を忌み嫌う矢」を打ち、ダフネはアポロンから必死に逃げます。
とうとう追いつかれそうになった時、ダフネはその父親に「自分がアポロンに捕まらないように姿を変えてください」と願うと、父親はダフネを月桂樹の木に変えてしまったのです。
アポロンは嘆き、愛の証に月桂樹の葉で冠を作って永遠に身につけ、アポロンの聖樹としました。
月桂樹の葉には別に「私は死ぬまで変わりません」という花言葉も存在します。そのため、恋のおまじないとして月桂樹の葉がよく使われています。
これ以外にも、生薬として使われてきた月桂樹は、神経痛や関節痛の痛みを抑え、皮膚病などの炎症を抑えるためにお風呂に入れたり、優れた防虫効果があることから、米びつに入れて虫除けなどにも使われます。
まとめ
肉や魚の臭みを抑え、料理の味に深みを出すハーブ、ローリエ。お風呂や防虫、おまじないにと、古くから多くの国で親しまれています。
スーパーなどで身近に手に入り、料理にもぽんと入れるだけで効果が得られるので、これからもどんどん活用していきたいですね。プランターでも育てやすいそうなので、興味のある方は自宅で栽培・乾燥に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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